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トピックス 加齢と老化の違い ビタミンCと活性酸素種  食品に含まれるビタミンCの人体への吸収と排泄  カロリー制限しても寿命は延びない

加齢 (aging) と老化 (senescence, aging) の違い

ヒトは成長後、加齢にともない細胞や組織の機能が低下し、やがて死に至ります。混同しやすい言葉ですが、日本語の『加齢』と『老化』の意味はまったく異なります。
『加齢』とはヒトが生まれてから死ぬまでの時間経過、すなわち暦年齢を示します。ヒトは生まれてから1歳2歳と時間の流れに従い、誰もが同じ速さで加齢が進行して行きます。そのため、同じ出生日の友人に途中で年齢が引き離されることはありません。この考えを元に『アンチエイジング』の訳語を『抗加齢』とするならば、タイムマシンを開発して時間をさかのぼる以外には不可能です。従って、 『アンチエイジング』の訳語を『抗加齢』とすることは適切ではありません。
 一方、『老化』とは成長期(性成熟期)以降、すべてのヒトに起こる加齢にともなう生理機能の低下です。機能低下の速さはすべてのヒトが同じではなく、個人個人バラバラです。なぜなら、老化(生理機能の低下)は遺伝的要因や生活・環境要因が複雑に影響を与えているからです。ちなみに、寿命に対する遺伝子の寄与率は25〜30%程度とされています。しかし、遺伝子の老化速度に対する寄与率については明らかではありません。この概念から 『アンチエイジング』の訳語を『抗老化』または『老化制御』とすれば、その意味は加齢にともなう生理機能低下を抑制することになり、実行可能です。現在までの研究では、老化を止めたり、逆行させることは不可能ですが、老化速度を遅らせることは可能です。私たちの研究室では『アンチエイジング』の訳語を『老化制御』として捉え研究を行っています。
 以上をまとめると、ヒトでは『加齢』の間に『老化』が進行します(図を参照)。ヒトの場合、『老化』は概ね20〜30歳以降に起こり、それ以前は『発生と成長』として捉えるべきです。また、寿命(life-span, longevity)は、誕生してから死ぬまでの期間であり、最長寿命(maximum life-span)を指すこともあります。 もう一つ、とても大切なことは老化は決して『病気』ではないということです。もし、老化を病気として捉えると20〜30歳以降のヒトはすべて病人になってしまいます。

加齢と老化

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